関数とは

関数とは、目的の計算をするために、あらかじめ決められている処理をする数式のことです。関数を利用することによって、必要なデータを入力するだけで、複雑な計算や条件式の計算でも数式を考えることなく値を求めることができる便利機能が関数になります。

例えば、1,000個のセルに入力された数値の合計を求めようとした場合、それらを1つ1つ「+」をつないで数式を作成するのは大変です。しかし表計算の関数には合計という名前の関数があり、ユーザが指定する情報(引数)を用いて合計関数を使用すると、比較的簡単に合計を求めることができます。

関数の書式

関数の書式は、全ての関数が当てはまっているというわけではありませんが、おおよその関数がこのような形式になっています。

関数名(引数1,引数2,…)
関数名:関数名にはその関数の機能を表している名前がつくことが多い。
引数:関数が処理をする際に必要な情報を記述する。(数値、セル範囲など)引数が複数必要な時はカンマ「,」で区切る。

とりあえず関数名○○の後ろに括弧が来て、括弧内に引数がつく、というパターンで覚えておきます。後で紹介しますが、合計関数の場合は「合計(セル範囲)」と関数名が合計で、引数がセル範囲という書式になります。

基本情報処理試験で定義されている関数

Excelの関数は476種類あるそうですが、基本情報処理試験の関数は「表計算ソフトの機能・用語」に定義されており、2020年の時点で、全部で27種類の関数が定義されています。関数は基本情報処理試験問題の最後の方にまとめて掲載されていて試験中に見ることが可能です、なので完璧に全て覚える必要はありません。しかし、どのくらいのことができるのか機能はある程度把握しておかないと、冊子を見ながらだと時間内に問題を解くことが難しくなるので、確認の意味を込めて学習しましょう。

基本情報処理試験で定義されている関数一覧

「表計算ソフトの機能・用語」の5ページ目に記載されているのを転載しました。

書式解説掲載ページ
1合計(セル範囲)セル範囲に含まれる数値の合計を返す。
2平均(セル範囲)セル範囲に含まれる数値の平均を返す。
3標本標準偏差(セル範囲)セル範囲に含まれる数値を標本として計算した標準偏差を返す。
4母標準偏差(セル範囲)セル範囲に含まれる数値を母集団として計算した標準偏差を返す。
5最大(セル範囲)セル範囲に含まれる数値の最大値を返す。
6最小(セル範囲)セル範囲に含まれる数値の最小値を返す。
7IF(論理式,式1,式2)論理式の値がtrueのとき式1の値を、falseのとき式2の値を返す。
8個数(セル範囲)セル範囲に含まれるセルのうち、空白セルでないセルの個数を返す。
9条件付個数(セル範囲,検索条件の記述)セル範囲に含まれるセルのうち、検索条件の記述で指定された条件を満たすセルの個数を返す。
10整数部(算術式)算術式の値以下で最大の整数を返す。
11剰余(算術式1,算術式2)算術式1の値を被除数、算術式2の値を除数として除算を行ったときの剰余を返す。関数"剰余"と"整数部"は、剰余(x,y)=x-y*整数部(x/y)という関係を満たす。
12平方根(算術式)算術式の値の非負の平方根を返す。
13論理積(論理式1,論理式2,…)論理式1、論理式2、…の値が全てtrueのとき、trueを返す。それ以外のときfalseを返す。
14論理和(論理式1,論理式2,…)論理式1、論理式2、…の値のうち、少なくとも一つがtrueのとき、trueを返す。それ以外のときfalseを返す。
15否定(論理式)論理式の値がtrueのときfalseを、falseのときtrueを返す。
16切上げ(算術式,桁位置)算術式の値を指定した桁位置で、関数"切上げ"は切り上げた値を、関数"四捨五入"は四捨五入した値を、関数"切捨て"は切り捨てた値を返す。
17四捨五入(算術式,桁位置)算術式の値を指定した桁位置で、関数"切上げ"は切り上げた値を、関数"四捨五入"は四捨五入した値を、関数"切捨て"は切り捨てた値を返す。
18切捨て(算術式,桁位置)算術式の値を指定した桁位置で、関数"切上げ"は切り上げた値を、関数"四捨五入"は四捨五入した値を、関数"切捨て"は切り捨てた値を返す。
19結合(式1,式2,…)式1、式2、…のそれぞれの値を文字列として扱い、それらを引数の順につないでできる一つの文字列を返す。
20順位(算術式,セル範囲,順序の指定)セル範囲の中での算術式の値の順位を、順序の指定が0の場合は昇順で、1の場合は降順で数えて、その順位を返す。
21乱数()0以上1未満の一様乱数(実数値)を返す。
22表引き(セル範囲,行の位置,列の位置)セル範囲の左上端から行と列をそれぞれ1、2、…と数え、セル範囲に含まれる行の位置と列の位置で指定した場所にあるセルの値を返す。
23垂直照合(式,セル範囲,列の位置,検索の指定)セル範囲の左端列を上から下に走査し、検索の指定によって指定される条件を満たすセルが現れる最初の行を探す。
24水平照合(式,セル範囲,行の位置,検索の指定)セル範囲の上端行を左から右に走査し、検索の指定によって指定される条件を満たすセルが現れる最初の列を探す。
25照合検索(式,検索のセル範囲,抽出のセル範囲)1行又は1列を対象とする同じ大きさの検索のセル範囲と抽出のセル範囲に対して、検索のセル範囲を左端又は上端から走査し、式の値と一致する最初のセルを探す。
26照合一致(式,セル範囲,検索の指定)1行又は1列を対象とするセル範囲に対して、セル範囲の左端又は上端から走査し、検索の指定によって指定される条件を満たす最初のセルを探す。
27条件付合計(検索のセル範囲,検索条件の記述,合計のセル範囲)行数及び列数が共に同じ検索のセル範囲と合計のセル範囲に対して、検索と合計を行う。

表計算の関数