絶対参照

絶対参照についてです。相対参照は複写すると自動的に参照先のセル番地を変えてくれる機能でした。

絶対参照はセルを複写するとき、そのセル番地の列または行の、片方または両方を変化させない機能を絶対参照といいます。

相対参照はとても便利で、なくてはならない機能ですが、相対参照によって参照先のセル番地が、変更してほしくないのにも関わらず、相対参照は自動で変更をしてしまいますから、困ってしまうという時もあります。そうならないために、複写したときにセル番地を固定し、変更しないようにしてしまう、というのが絶対参照になります。それでは具体例をみてみましょう。

ABCDEFGH
1半径101112131415
2直径202224262830
3円周率3.143.143.143.143.143.14
4円周62.869.0875.3681.6487.9294.2
5

これは円周を求める例のワークシートです。追加の条件で、半径が10から15までの変化量を調べようとしていて、セル範囲で複写をして半径を入力したものとします。この時、円周率はすべて同じ3.14の値なのでデータを無闇に増やすのはあまりスマートではないと思い、まとめてB3のセル1箇所だけにしたいと考えました。

ABCDEFGH
1半径101112131415
2直径202224262830
3円周率3.14
4円周62.869.0875.3681.6487.9294.2
5

こんな感じにしたいとします。詳しくいうと、

セル番地C4の式は「B3*C2」としたい

セル番地D4の式は「B3*D2」としたい

セル番地E4の式は「B3*E2」としたい

セル番地F4の式は「B3*F2」としたい

セル番地G4の式は「B3*G2」としたい

と「B3×各セル」という形でB3を固定したいと思っています。しかし、このまま複写(コピー)すると相対参照は式の値を自動的に加算されてしまう仕組みですから、セルC4は「C3*C2」となってしまい上手くいきません。では一つずつ手で入力してしまう?手入力も一つの方法ですが、今回は調べる列がたまたま少なかったから上手くいくでしょうが、もし調べる列が千列になったときはどうでしょうか。やはりコピー&ペースト一発で、できるようにしたいです。

そこで絶対参照を使用します。絶対参照はセルを複写するとき、そのセル番地の列または行の、片方または両方を変化させない機能で、セル参照が含まれる式を複写して使う場合、参照先のセル番地を変更しないようにする機能です。

絶対参照の指定方法は、行番号を固定するための方法と、列番号を固定するための方法と、列番号と行番号を固定するための方法の3つがあります。

絶対参照は固定したい列または行の前に「$」ドルマークをつけます。ドルマークはキーボードのShift+4キーで入力できます。

行番号を固定するための方法

「B$3」と変更したくない行番号の前にドルマークをつけます。

列番号を固定するための方法

「$B3」と変更したくない列番号の前にドルマークをつけます。

列番号と行番号を固定するための方法

「$B$3」と変更したくない列番号と行番号の前にドルマークをつけます。

絶対参照を指定した式は、参照先のセルに複写されても値が変化しなくなります。それでは円周を求める例を絶対参照で修正してみましょう。

ABCDEFGH
1半径101112131415
2直径202224262830
3円周率3.14
4円周
5

セル番地B4に「$B3*B2」と列番号を固定するために「$」を付加して入力します。こうすることによって式が複写されても列番号は変化しません。セルB4をコピー&ペーストしてみてください。

ABCDEFGH
1半径101112131415
2直径202224262830
3円周率3.14
4円周62.869.0875.3681.6487.9294.2
5

セル中の式を見てみても(例えばC4)、「$B3*C2」となり、ドルマークがついたところの列番号は変わっていないことがわかります。

今回の例の場合は列を固定しましたが、行も同様に固定できます。列と行どちらを固定するのかは状況に応じて使い分けることになります。以上、絶対参照でした。

絶対参照