セル参照

表計算ソフトには他のセルに入力されている値を参照して使うことができる機能があり、これをセル参照といいます。セル参照はコピー(複写)とは違います。参照しているので、参照元の値に変化があった場合、参照先の値も同じように変化します。参照元の値が消えたら同じく参照先の値も消えます。コピーの場合だとコピー元の値が消えても、コピー先の値は何も変化はしません。

コピーの場合は、ある条件で元の値に変化があったとき、他の値を書き換えなければならないので面倒ですが、セル参照で値を参照するように式を書いておけば、参照元の値が変化した場合、参照先の値を計算しなおさなくていいので便利です。

セル参照の指定方法

他のセルの値を参照するときは、参照先のセル番地を指定すればできます。参照先のセルに数値が入っていれば数値が、文字列が入っていれば文字列が参照先に返ってきます。注意点は参照先に指定した際に返ってくる値は参照元の結果の値だということです。参照元に式が入力されている場合は参照先では計算された値がセルに返ってきます。

例えば、セル番地A1に200と入力し、セル番地B1に「A1」と入力します。すると、B1にはA1が入っている値200が入っています。これがセル参照です。

ABCDEF
1200200
2
3
4
5

また、試しにA1に0を入力してみます。すると、B1の値も0と変化しました。

次は式をセル参照で使用する例をみてみます。式の内容は、円の円周の長さを出す式とします。(円周=直径×円周率)

ABCDEF
1半径10
2直径20
3円周率3.14
4円周62.8
5

B1の値が半径10と与えられている状態で、直径は半径の2倍ですから半径×2なのでB2には式「B1*2」と入力します。円周率は固定で3.14と入力し、次に円周を求めるためB4に「B2*B3」と入力します。すると62.8と計算結果が表示されています。このようにして式をセル参照で計算させることができました。試しに半径B1の数値を変えてみてください。直径と円周の値が変わります。

この例の場合は円周だけを求める式ですので、電卓を叩いて計算すればいいじゃないか、表計算ソフトを使う必要はないんじゃないかと思う方もいるとおもいますが、確かにその通りです。しかし、これがもし給与計算とかで千行とか一万行とかになったら大変です。大企業の従業員が一万人いたとして、一万人の給料の計算を一万回電卓で叩きますか?という具合です。セル参照は表計算ソフトでは必須の機能だと思います。

セル参照